動画制作の発注で失敗しないチェックリスト20項目|見積・契約・著作権・修正回数

コラム

2026/3/19

この記事でわかること

企業の広報・採用・マーケ担当者/店舗オーナー/はじめて制作会社に依頼する方が、下記について理解できます。

  • 見積比較のコツ

  • 契約前に確認すべき条件

  • 著作権・音楽まわりの対応

  • 修正回数で揉めない進め方


結論:失敗の原因は「確認不足」ではなく“前提のズレ”

動画制作のトラブルは、制作会社の良し悪し以前に、発注側と制作側で以下がズレることで起きがちです。

  • 目的(誰に何をしてほしいか)

  • 納品物(尺・本数・縦横・字幕など)

  • 権利(どこまで使えるか、素材は誰のものか)

  • 修正(どこまでが無料で、何が追加か)

この記事のチェックリスト20項目を、見積依頼前〜契約前に埋めるだけで、追加費用・納期遅延・「言った/言わない」をかなり防げます。


発注〜納品の流れ(5ステップ)

発注から納品までの動画制作の流れは下記の通りです。

  1. 要件定義

  2. 見積依頼

  3. 契約(条件明示・権利・修正・キャンセル)

  4. 制作(企画→撮影→編集→初稿→修正→MA)

  5. 納品(データ形式・活用・二次利用)

今回のチェックリストは上記の順番で並べています。担当者が変わる場合でもこちらの順序で見ていけば理解しやすいと思います!

チェックリスト20項目

STEP1 発注前(要件定義)【1〜6】

1. 目的を1文で言えるか

なぜ重要? 目的が曖昧だと、構成・演出・尺がブレて修正が増えます。
依頼文テンプレ:「目的は◯◯(例:採用応募を増やす/問い合わせを増やす)です」

2. ターゲット(誰に)と配信先(どこで)を決めたか

なぜ重要? 採用サイト向けとSNS広告向けでは、最適な構成が別物です。
テンプレ:「ターゲットは◯◯、配信先は◯◯(Web/YouTube/SNS/展示会)です」

3. ゴール指標(KPI)を置いたか

なぜ重要? 「良い動画=主観」にならず、社内合意が早くなります。
テンプレ:「KPIは◯◯(例:LP遷移/応募数/CTR/視聴維持率)を想定しています」

4. 尺と本数(例:3分×1本、15秒×3本)

なぜ重要? 予算と工数に直結。広告は短尺でも複数案で増えます。
テンプレ:「尺は◯秒〜◯分、合計◯本を想定しています」

5. 納品フォーマット(縦/横・字幕・複数尺)

なぜ重要? 縦型化・字幕・複数サイズ納品は追加工数になりやすい論点です。
テンプレ:「納品は横16:9/縦9:16/正方形1:1のうち◯◯。字幕は要/不要です」

6. 参考動画(2〜3本)+好き/避けたい点

なぜ重要? イメージ共有が最短で、初稿の精度が上がります。
テンプレ:「参考URL:◯◯/良い点:◯◯/避けたい点:◯◯」


STEP2 見積チェック【7〜11】

7. 見積の前提条件(尺・本数・撮影日数・納品形式)が明記されているか

なぜ重要? 前提条件が定まってしないと見積から請求まででかなりのズレが発生する可能性があります。
テンプレ:「見積書に前提条件(尺/本数/撮影日数/納品形式)の明記をお願いします」

8. 内訳が分かれているか(企画/撮影/編集/MA/アニメ/実費)

なぜ重要? 高い・安いの理由が分かり、削る判断ができます。
テンプレ:「内訳(企画・撮影・編集・整音/MA・アニメ・実費)を分けてください」

9. 修正回数と“修正の定義”が書かれているか

なぜ重要? 「2回まで」の“2回”が、文言修正か構成変更かで大違い。
テンプレ:「修正回数上限と、軽微/大幅の定義を明記してください」

10. 素材支給(ロゴ/写真/既存映像)と整理工数の扱い

なぜ重要? 素材が散らかっていると、探すだけで時間が溶けます。
テンプレ:「支給素材は◯◯です。整理・変換が必要な場合の扱いも教えてください」

11. 追加費用になりやすい項目が明記されているか

なぜ重要? 交通費・ロケ許可・出演・ナレーション・BGM等が後から増えやすい。
テンプレ:「追加費用の可能性がある項目(交通費/許可/出演/ナレ/BGM等)を明記してください」


STEP3 契約チェック(条件明示・キャンセル・検収)【12〜15】

12. 取引条件が「書面 or 電磁的方法」で明示されているか(公正取引委員会

なぜ重要? 条件が曖昧だと、後から変更や追加が発生しやすいからです。
フリーランスに業務委託した場合、発注者が取引条件を直ちに書面または電磁的方法で明示する旨が整理されています。 
引用:フリーランスに発注する場合はこちらを確認しておいてください。
また、厚生労働省の案内でも、取引条件の明示・報酬支払等の観点が示されています。
引用:フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ

テンプレ:「発注内容・報酬・納期・検収・支払条件を、書面またはメール等で明文化お願いします」

13. キャンセル規定(いつ、いくらかかるか)

なぜ重要? 撮影前・撮影後・編集後で原価が違い、揉めやすいポイントです。
テンプレ:「キャンセル料の発生タイミング(撮影前/後、編集着手後)を規定してください」

14. 再撮影・リスケ条件(天候・社内都合・出演者都合)と費用負担

なぜ重要? 撮影日は「人・場所・機材」の確保がコスト。再撮影ルールが必要です。
テンプレ:「雨天時・社内都合時のリスケ/再撮影の条件と費用負担を明記してください」

15. 秘密保持(社内情報・未公開情報・個人情報)の扱い

なぜ重要? 採用・工場・顧客事例はセンシティブ情報を扱いがちです。
テンプレ:「NDA締結可否、素材保管期間、公開前素材の取扱いを確認したいです」


STEP4 著作権・音楽チェック【16〜18】

16. 成果物の権利(帰属・利用範囲・二次利用)を明確にする

なぜ重要? 「WebだけOK」「広告でもOK」「他媒体転用OK」などが曖昧だと、後から追加費用・使用停止が起きます。
テンプレ:「利用範囲(Web/SNS/広告/展示会等)・利用期間・二次利用可否を契約に明記してください」

17. 著作者人格権は譲渡できない前提で、必要な取り決めをする(文化庁

なぜ重要? 契約文言の書き方によっては、意図した運用ができないことがあるためです。
文化庁の契約マニュアルでも、著作者人格権は譲渡できないため必要に応じて規定する旨が整理されています。 
引用:著作権に関する契約について

テンプレ:「著作者人格権の取扱い(必要な範囲での不行使等)を条項で整理したいです」

18. BGM/音源は「著作権」だけでなく「著作隣接権」も確認(JASRAC

なぜ重要? 市販音源や既存音源の利用は、著作権管理だけで完結しない場合があります。
JASRACの案内でも、著作権とは別に著作隣接権の許諾が必要になる場合がある旨が示されています。 YouTubeなど動画投稿サービスでの音楽利用についての案内もあります。 

テンプレ:「BGM/SE/音源の権利処理(著作権・著作隣接権含む)の範囲が問題ないか確認してください」または、「範囲を明確にしてください」
※必要に応じて取得したサイトのURLなどをまとめて管理することもあります。


STEP5 制作進行・修正運用(炎上ポイントを潰す)【19〜20】

19. 修正のルール(軽微修正・大幅修正・追加費用の境界)を決める

なぜ重要? 「どこまで無料?」問題を防げます。後工程ほど修正は高くなりがちです。
テンプレ:「修正を軽微(文言/誤字/テロップ)と大幅(構成/尺/撮影追加)で区分し、費用条件をください」

20. 社内の確認フロー(窓口一本化・決裁者・締切)を決める

なぜ重要? 窓口が複数になるほど修正が増え、納期が崩れます。
テンプレ:「発注側窓口は1名に統一します。初稿確認は◯営業日以内に返します」


そのまま送れる見積依頼テンプレを作成しました!

以下をコピペして送ってください(このままでOKです)。

【動画制作 見積依頼】

■依頼目的:
(例:採用応募を増やしたい/問い合わせを増やしたい)

■ターゲット:
(例:20代の求職者/BtoBの購買担当者)

■配信先(媒体):
(例:自社Web/YouTube/Instagram/展示会)

■希望納期:
(例:◯月◯日までに公開したい)

■動画の種類:
(会社PR/採用/広告/商品紹介 など)

■尺・本数:
(例:3分×1本、15秒×3本)

■表現:
(実写/アニメ/実写+アニメ)

■撮影:
(有/無、場所、想定日数)

■納品形式:
(16:9/9:16/1:1、字幕の要否、複数尺の要否)

■参考動画URL(2〜3本):
URL:
良い点:
避けたい点:

■支給素材:
(ロゴ/写真/既存映像)

■修正回数の希望・修正の定義:
(例:軽微修正2回まで、構成変更は別途相談)

■権利(利用範囲・二次利用):
(例:Web/SNS/広告で使用予定、二次利用可否)

■追加費用になりうる項目の明記希望:
(交通費/ロケ許可/出演/ナレーション/BGM等)

よくある失敗例

動画制作の発注でよくある失敗例を最後にまとめます。

  • 見積は安いが、修正が別料金で結果的に高くなってしまった

  • SNS転用できず、縦型を作り直し

  • 音楽の権利で差し替えが発生し、公開が遅れる

  • 社内確認が長引き、採用・展示会に間に合わない


まとめ

動画制作の発注で失敗しない最短ルートは、相場を見る前にまず

  • 目的(誰に何をしてほしいか)

  • 納品物(尺・本数・縦横・字幕)

  • 権利(利用範囲・音楽)

  • 修正(回数と定義)

事前に明確にすることです。
この20項目を埋めてから見積を取れば、比較が公平になり、制作会社からの提案も精度が上がります。

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