香川県・四国の医療機関・介護施設向け動画活用ガイド|採用・施設紹介・患者/利用者向け説明動画の作り方

コラム

2026/3/24

「求人を出しても看護師が集まらない」「施設の良さがなかなか伝わらない」「手術前の説明に毎回30分かかる」——こうした悩みを抱えている病院・クリニック・介護施設の経営者の方は、少なくないはずです。

香川県の介護職員数は約18,359人(2022年度時点)ですが、2040年に向けて数千人規模の不足が見込まれています。全国の介護サービス職の有効求人倍率は約3.6倍、香川県でも3.67倍と、1人の求職者を約3.7件の求人が奪い合っている状況です。看護師に至っては、香川県の新卒離職率が15.2%と全国ワースト水準であり、せっかく採用してもすぐに辞めてしまうという課題も深刻です。

一方で、求職者の約8割が就職・転職活動中に「採用動画を視聴した」と回答し、6割以上が「動画を見て志望度が上がった」というデータがあります。また、患者向けの手術前説明を動画化した病院では、「理解できた」と回答した患者が92.7%、「不安が軽減された」が68.3%という成果が報告されています。

つまり、動画は「採用」「集患・入居促進」「業務効率化」の3つの経営課題を同時に解決できるツールなのです。本記事では、動画制作が初めての院長・施設長・経営者の方にもわかりやすく、動画の種類から費用相場、制作の流れ、医療・介護ならではの注意点まで、すべてを網羅して解説します。


なぜ今、医療機関・介護施設に「動画」が必要なのか

深刻化する人材不足——数字で見る四国・香川の現状

厚生労働省の推計によれば、2040年度に全国で必要な介護職員数は約272万人。2022年度の約215万人から約57万人の増員が必要です。香川県に限ってみても、2022年度の介護職員数18,359人に対し、2025年度時点で約1,300人が不足すると推計されています。

医療分野でも事情は同じです。2025年度の「病院の人材確保に関する調査」(WAM)では、不足している職種として「看護師」を挙げた病院が79.6%、「看護補助者」が71.0%に上りました。保健師・助産師・看護師の有効求人倍率は2.18倍と、全職業平均(1.18倍)を大きく上回っています。

四国4県の人手不足の主な指標

指標

数値

出典

香川県の有効求人倍率(2025年平均)

1.46倍(全国6位前後)

香川労働局

介護サービス職の有効求人倍率(全国)

約3.6倍

厚生労働省

香川県の介護職 有効求人倍率

3.67倍

マイナビ介護職

訪問介護員の有効求人倍率(全国)

14.14倍

厚生労働省

香川県の新卒看護師離職率

15.2%(全国最高水準)

日本看護協会

2040年に必要な介護職員(全国)

約272万人(+57万人)

厚生労働省

この数字が示すのは、「待っていても人は来ない」という現実です。求職者に自院・自施設を「選んでもらう」ための積極的な情報発信が不可欠であり、そのもっとも効果的な手段が「動画」です。

「見て選ぶ」時代——求職者の動画視聴行動

動画がなぜ採用に効くのか。それは、求職者の行動が大きく変わっているからです。

2025年のmoovy社による採用動画トレンド調査では、求職者の約8割が就職・転職活動中に採用動画を視聴していることがわかりました。視聴タイミングは「比較検討段階」が58%、「応募段階」が49.3%と、まさに「どの職場にするか決める瞬間」に動画が見られています。さらに、エン・ジャパンの調査では4割以上が「採用動画を見ることで志望度に影響があった」と回答し、就活生を対象にした別の調査では6割以上が「動画で志望度が上がった」と答えています。

動画付きの求人は、テキストのみの求人と比べて応募率が約2.3倍になるというデータもあります。とりわけ医療・介護の現場は「実際の雰囲気がわからない」「きつそう」というイメージが先行しがちな業界です。動画で職場のリアルな空気感、先輩スタッフの笑顔、チームワークの良さを「見せる」ことで、こうした不安を払拭し、応募のハードルを大きく下げることができます。

患者・利用者にとっても動画は「安心」の源

動画の効果は採用だけにとどまりません。Jストリーム社が公開した病院事例では、手術前説明を動画化した結果、患者1人あたりの説明時間を約10分短縮でき、アンケートでは「内容が理解できた」が92.7%、「不安が軽減された」が68.3%という結果になりました。

介護施設においても、施設紹介動画を活用したオンライン見学の仕組みを導入することで、遠方に住む家族の見学ハードルが下がり、見学予約数が増加した事例が報告されています。入居前の家族に動画を共有することで安心感を高め、入居契約に至る確率を上げる効果も期待できます。

さらに、スタッフ研修のeラーニング動画化は、夜勤者やパートスタッフなど「全員が集まれない」現場にとって、教育の質を均一化する強力な手段です。感染対策や接遇マナーの手順を動画で標準化し、いつでもどこでも繰り返し学習できる体制をつくることは、医療安全にも直結します。


医療・介護で使える動画 8タイプ一覧

「動画」と一口に言っても、目的や活用先によってまったく違うものを作ります。医療機関・介護施設でよく使われる動画を8タイプに整理しました。まずは「自分たちに必要なのはどれか」を確認するところから始めましょう。

#

動画タイプ

主な目的

想定尺

費用相場(税別)

主な活用先

1

スタッフインタビュー

採用

3〜5分

30〜80万円

求人サイト、自社HP

2

1日密着ドキュメンタリー

採用

5〜10分

80〜200万円

YouTube、採用説明会

3

施設紹介・バーチャルツアー

集患/入居促進

2〜5分

30〜80万円

HP、GBP、オンライン見学

4

院長・ドクターメッセージ

集患/ブランディング

1〜3分

30〜50万円

HP、GBP、SNS

5

患者向け説明動画(実写)

業務効率化

3〜10分

30〜80万円

待合室、タブレット

6

患者向け説明動画(アニメ)

業務効率化

3〜10分

40〜150万円

待合室、HP、QR配信

7

スタッフ研修・eラーニング

教育・標準化

5〜15分/本

10〜40万円/本

院内LMS、タブレット

8

SNSショート動画

認知拡大・採用

15〜60秒

3〜40万円/本

Instagram、TikTok、Shorts

ここからは、「採用」「集患・入居促進」「業務効率化」の3つの目的別に、具体的な作り方と活用法を詳しく解説していきます。


【採用編】看護師・介護士の応募を増やす動画の作り方

採用動画で伝えるべき5つの要素

求職者が最も知りたいのは「この職場で自分は大丈夫だろうか」ということです。採用動画では、次の5つの要素を意識して構成することが重要です。

① 職場の雰囲気と人間関係 ナースステーションや介護フロアでの日常会話、申し送りの場面、休憩室での和やかな表情など、「人間関係の良さ」が伝わる映像を入れましょう。求職者が最も重視するのが「人間関係」だからです。

② 1日の仕事の流れ 出勤から退勤まで、実際の業務をタイムライン形式で見せる「密着動画」は、就活生が「最も見たい採用動画コンテンツ」として常に上位にランクインします。「朝の申し送り→午前のケア→昼食介助→カンファレンス→記録→退勤」という流れを、テロップと実際の映像で見せることで、仕事のイメージを具体化できます。

③ 先輩スタッフの本音 台本を丸読みさせたインタビューは見る人にすぐ伝わり、逆効果になることがあります。「この仕事を選んだ理由」「大変だったこと」「やりがいを感じた瞬間」を、ディレクターとの自然な会話の中で引き出す形が効果的です。入職1〜3年目の若手スタッフの声は、特に新卒・第二新卒層に響きます。

④ キャリアパスと教育制度 「入職後にどう成長できるか」を数字で見せましょう。プリセプター制度、資格取得支援の実績、昇格モデルなどを図解テロップで挿入すると理解度が上がります。

⑤ 地域の暮らし・通勤環境 UIターン採用を視野に入れるなら、四国・香川の生活環境を紹介するカットも効果的です。家賃相場、通勤時間、近くの商業施設やレジャースポットなどを30秒ほどの「地域紹介パート」として入れることで、県外の求職者に「ここで暮らすイメージ」を持ってもらえます。

医療・介護ならではの撮影の注意点

一般企業の採用動画とは異なり、医療・介護の現場には「患者・利用者がいる空間で撮影する」という特殊な事情があります。以下のポイントを必ず押さえてください。

患者・利用者が映り込まない撮影動線の設計が最も重要です。撮影日は可能な限り休診日や利用者の少ない時間帯を選びましょう。やむを得ず稼働中に撮影する場合は、カメラの向きと移動ルートを事前にロケハンで決め、撮影エリアに患者・利用者が入らないようスタッフを配置して誘導します。

撮影同意書の取得と管理も必須です。出演するスタッフ全員はもちろん、万が一患者・利用者が映り込む可能性がある場合は、書面による同意を事前に取得し、保管しましょう。同意書には「使用目的」「公開範囲」「公開期間」を明記し、退職者の映像の取り扱い条項も含めておくのが理想です。

清潔感の統一も見落としがちなポイントです。ユニフォームの状態、名札の向き、髪型やアクセサリーの基準などを撮影前日にスタッフに周知しておくと、仕上がりの質が格段に上がります。

活用先別の最適化ポイント

同じ採用動画でも、掲載先によって最適な長さ・形式が異なります。1本の「マスター動画」を作り、そこから各チャネル用に再編集するのが最もコストパフォーマンスの高い方法です。

採用動画の活用先と最適な仕様

活用先

推奨尺

形式・比率

ポイント

自社HP採用ページ

3〜5分

横型 16:9

フル尺。テキスト情報と併記

Indeed・求人ボックス

30秒〜1分

横型 16:9

冒頭3秒で惹きつけるダイジェスト

YouTube

3〜10分

横型 16:9

SEO対策としてタイトル・説明文を最適化

Instagram Reels

15〜30秒

縦型 9:16

「日常の1コマ」を切り出し

TikTok

15〜60秒

縦型 9:16

トレンド音楽+テンポの良い編集

採用説明会・学校訪問

3〜5分

横型 16:9

プレゼン資料に埋め込み

LINE公式アカウント

1〜2分

縦型 or 横型

エントリー者へのフォローアップ送付


【集患・入居促進編】施設紹介動画とGBP(MEO)活用

「選ばれる病院・施設」になる施設紹介動画

病院やクリニックを探す患者は、Googleマップでの検索や口コミに加え、ホームページの動画を重視するようになっています。テキストと写真だけでは伝わらない「院内の空気感」「スタッフの雰囲気」「設備の充実度」を、動画なら数分で余すところなく伝えることができます。

病院・クリニックの場合は、清潔感あふれる院内のウォークスルー映像、最新の医療機器や設備の紹介、そして院長やドクターが直接カメラに向かって診療方針を語るメッセージ動画が効果的です。患者は「どんな先生に診てもらえるのか」を最も気にしています。院長の人柄や専門性が伝わる動画は、初診の心理的ハードルを大きく下げます。

介護施設の場合は、入居者の1日の過ごし方、レクリエーションの様子、食事のシーン、そしてスタッフが入居者と自然に会話している姿などを映像に収めましょう。家族が最も知りたいのは「ここで親は幸せに過ごせるだろうか」ということです。安全設備の紹介とあわせて、人の温かさが伝わる映像が入居の決め手になります。

Googleビジネスプロフィール(GBP)×動画でMEO効果を最大化

「地域名+診療科」「地域名+介護施設」で検索したときに、Googleマップ上で自院・自施設が上位に表示されるかどうかは、集患・入居促進に直結します。このGoogleマップ上の表示順位を高める施策がMEO(Map Engine Optimization)です。

GBPに動画を投稿することで、検索結果での表示回数やクリック率が向上するというデータが複数報告されています。ある調査では、GBPへの動画投稿により来店率(来院率)が10〜30%向上したとされ、別の調査ではクリック率が0.42%改善したという結果も出ています。

GBPに投稿する動画には仕様上の制約があります。投稿前に必ず確認しましょう。

GBP動画の仕様要件

項目

要件

動画の長さ

30秒以内推奨

ファイルサイズ

75MB以下

解像度

720p以上

ファイル形式

MP4推奨

投稿頻度

週1〜2回が理想

投稿するネタとしては、「季節ごとの健康アドバイス(例:インフルエンザ予防シーズンに院長が30秒で解説)」「新しい医療機器・設備の紹介」「スタッフ紹介」「待合室やキッズスペースの案内」「介護施設のイベント・レクリエーション風景」などが効果的です。投稿を週1〜2回継続することで、Googleに対して「この施設は情報を常に更新している」という鮮度シグナルを送り、MEO順位の維持・向上に寄与します。

介護施設のオンライン見学・VRツアー動画

コロナ禍をきっかけに普及したオンライン見学は、現在も多くの介護施設で活用されています。「遠方に住む子どもが親の施設を選ぶ」というケースが増えている中、施設紹介動画は"第一印象"そのものになっています。

360度パノラマ動画を活用すれば、居室の広さやリビングの雰囲気、食堂、中庭まで、訪問しなくてもすみずみまで確認できるため、遠方の家族の見学ハードルが大きく下がります。さらに、ケアマネジャーへの配布用に1〜2分のダイジェスト版を別途作成しておくと、紹介元からの問い合わせ増加にもつながります。


【業務効率化編】患者・利用者向け説明動画の作り方

手術前説明・検査説明動画

医療現場における「説明業務」は、医師や看護師にとって大きな時間的負担です。特に手術前のインフォームドコンセントでは、1人の患者に15〜30分かけて説明することも珍しくありません。

この定型的な説明部分を動画化することで、説明時間を大幅に短縮できます。Jストリーム社の事例では、動画併用により1人あたりの説明時間を約10分短縮。患者アンケートでは「内容が理解できた」が92.7%、「不安が軽減された」が68.3%と、理解度・満足度ともに高い結果が出ています。

動画化に適している説明業務の例としては、「手術前の全体説明(手術の流れ、術後の経過、注意事項)」「内視鏡検査・大腸カメラ等の検査前オリエンテーション」「入院生活の案内(持ち物、スケジュール、面会ルール)」などがあります。

高齢の患者さんにも理解しやすいよう、大きめの字幕、ナレーションのスピードをゆっくりめに設定し、アニメーションで体内のイメージを視覚化する工夫が有効です。患者さんが自宅でも繰り返し視聴できるよう、QRコードでスマホに配信する仕組みを整えると、家族と一緒に確認でき、不安の軽減効果がさらに高まります。

リハビリ指導・服薬指導動画

退院後のリハビリや服薬管理は、患者さん自身の理解と実践にかかっています。しかし、退院時に口頭で説明しただけでは、自宅に戻った後に「どうやるんだったっけ」と忘れてしまうことが少なくありません。

自宅でのリハビリ手順を動画で提供すれば、正しいフォームや回数を何度でも確認でき、再入院リスクの低減が期待できます。服薬のタイミングや注意事項を1〜2分の短尺アニメーションにまとめ、QRコードで患者のスマホに送る仕組みも有効です。

介護施設の利用者家族向け動画

介護施設では、入居前のオリエンテーション(持ち物、面会ルール、1日の流れの説明)を動画化することで、職員の説明負担を軽減しながら、家族への情報伝達の漏れを防ぐことができます。

さらに、毎月の「施設だより」を動画で配信する取り組みも注目されています。文字だけの報告よりも、入居者が笑顔で過ごしている映像のほうが、家族にとってはるかに安心感があります。認知症ケアや看取りケアの方針説明など、デリケートなテーマこそ、動画で丁寧に伝えることが信頼構築につながります。

スタッフ研修・eラーニング動画

医療・介護の現場では、感染対策、接遇マナー、医療安全、介護技術など、継続的な研修が不可欠です。しかし、24時間稼働のシフト制では「全員が同じ時間に集まる」こと自体が困難です。

研修内容を動画化し、院内のLMS(学習管理システム)やタブレットで配信すれば、夜勤明けのスタッフやパートタイムのスタッフも、自分のペースで受講できます。動画+確認テスト機能を組み合わせることで、受講管理と理解度チェックも可能になります。

研修動画は1本あたり5〜15分、テーマごとに分割して制作するのが効果的です。長すぎる動画は集中力が持たないため、「感染対策・手指衛生編」「個人情報保護編」「接遇マナー編」など、10分以内のモジュール型にするのがベストプラクティスです。


制作費用の相場と賢いコストダウン術

動画タイプ別 費用相場一覧表

「動画制作は高い」というイメージを持っている方も多いかもしれません。実際の費用は動画の種類や品質レベルによって大きく異なります。以下の表で全体像を把握しましょう。

動画タイプ

シンプル

スタンダード

ハイクオリティ

スタッフインタビュー

15〜30万円

30〜60万円

60〜100万円

1日密着ドキュメンタリー

80〜120万円

120〜200万円

施設紹介(実写)

30〜40万円

40〜80万円

80〜150万円

院長・ドクターメッセージ

10〜20万円

20〜50万円

50〜80万円

患者説明動画(実写)

30〜40万円

40〜60万円

60〜80万円

患者説明動画(アニメーション)

30〜50万円

50〜80万円

80〜150万円

スタッフ研修・eラーニング(1本)

10〜20万円

20〜40万円

SNSショート動画(1本)

3〜8万円

8〜20万円

20~50万円

シンプルプランはカメラ1台・編集シンプルの構成で、初めて動画を作る方や予算を抑えたい方に向いています。スタンダードプランはカメラ2台+照明+プロのナレーション付きで、HP掲載やYouTube公開に十分なクオリティです。ハイクオリティプランはドローン撮影、3DCG、役者起用なども含む本格的な制作で、ブランディングを重視する大規模病院や施設法人に適しています。

見積もりの内訳を知る

制作会社から見積もりをもらったとき、何にいくらかかっているのかを理解しておくことが大切です。主な内訳項目は以下のとおりです。

「企画・構成費」は、動画の目的設定からシナリオ・絵コンテの作成までにかかる費用で、全体の10〜20%程度を占めます。

「撮影費」は、カメラマンの人件費と機材(カメラ、照明、録音機器等)のレンタル費が含まれ、撮影日数に比例します。

「ディレクション費」は、現場での進行管理やスタッフへの演出指示にかかる費用です。

「編集費」は、カット編集、テロップ挿入、色調補正、BGM付けなどの作業費で、通常は全体の30〜40%を占める最大の項目です。

「ナレーション・字幕費」は、プロのナレーター起用で3〜10万円、字幕制作は1言語あたり1〜5万円が目安です。

「音楽・SE使用料」は、商用利用可能な音源ライブラリの使用料です。

医療・介護動画に特有のコストとして、「医療監修費」(医師や専門家による内容チェック)、「アニメーション・3DCG制作費」(患者説明動画で体内構造を可視化する場合)、「同意書作成・管理費」などが上乗せされる場合があります。

コストを抑える5つの方法

① まとめ撮り 採用動画+施設紹介+院長メッセージ+SNS素材を1日で一気に撮影すれば、撮影費(カメラマン・機材のレンタル代)を1/2〜1/3に圧縮できます。事前にすべての動画の構成を決めておき、撮影スケジュールを分刻みで組むのがコツです。

② ワンソース・マルチユース 5分のフル尺動画から、1分のダイジェスト版、30秒のGBP投稿用、15秒のSNSショートを再編集で量産する方法です。一度の撮影素材から複数の動画を生み出すことで、1本あたりの制作単価を大幅に下げられます。

③ SNSショートの内製化 プロが制作するクオリティの高い動画とは別に、日常の一コマをスタッフのスマホで撮影し、テンプレートに当てはめてSNSに投稿する運用も効果的です。制作会社に「撮影テンプレート+ブランドガイドライン」を作成してもらい、その後の運用は院内スタッフが行うハイブリッド型がおすすめです。

④ AI字幕・AI翻訳ツールの活用 自動文字起こしツールやAI翻訳を活用すれば、字幕・多言語対応のコストを従来の1/3〜1/5に抑えられます。最終チェックは人の目で行いつつ、ベースの作業をAIに任せるのが現実的です。


医療・介護の動画制作で絶対押さえるべき注意点

医療・介護の動画には、一般企業の動画にはない特有のリスクと規制があります。ここを怠ると、患者・利用者のプライバシー侵害や法令違反につながりかねません。必ず確認してください。

プライバシー・個人情報保護

医療機関・介護施設で撮影する以上、患者や利用者の個人情報保護は最重要課題です。厚生労働省の「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」を遵守することが大前提です。

具体的な対策として、まず撮影ルートの事前設計が挙げられます。患者・利用者の動線と交差しないカメラの移動経路を決め、ロケハンの段階で確認します。休診日や早朝、昼休みなど、患者・利用者がいない時間帯を選んで撮影するのが最も安全です。

やむを得ず稼働時間中に撮影する場合は、カメラの方向に患者・利用者が入らないようスタッフを配置し、映り込みが生じた場合は編集時にモザイク処理を施します。撮影場所には「本日、撮影を行っております」という掲示を出し、来院者・利用者に事前に周知することも必要です。

出演するスタッフ全員から書面による撮影同意書を取得し、使用目的、公開範囲、公開期間、退職後の取り扱いを明記しましょう。完成動画は公開前に院長または施設長と法務・コンプライアンス担当者の二重チェックを経て、はじめて公開する体制を整えてください。

医療広告ガイドラインへの対応

医療法に基づく広告規制(いわゆる「医療広告ガイドライン」)は、動画にも適用されます。ホームページやSNSに掲載する動画は「広告」に該当するため、以下の禁止事項を必ず理解しておきましょう。

医療広告ガイドライン 主な禁止事項

禁止事項

具体例

虚偽広告

「手術成功率100%」など事実と異なる表現

比較優良広告

「地域No.1の治療実績」「日本一の技術」

誇大広告

「絶対に治る」「必ず改善」

体験談の不適切使用

患者の体験談を広告目的で掲載(限定解除要件を満たさない場合)

ビフォーアフター写真の不適切掲載

治療効果を示す写真に、治療内容・費用・リスク・副作用の記載がない場合

ホームページに掲載する動画は、「限定解除」の4要件(患者が自ら求めて入手する情報であること、治療内容・費用・リスク・副作用を明記すること等)を満たせば、より広い範囲の情報を掲載できます。ただし、その場合でも虚偽・誇大・比較優良はNGです。動画のナレーション原稿やテロップの表現については、制作段階で医療広告に詳しい専門家のチェックを受けることを強くおすすめします。

著作権・肖像権

BGMの選定では、必ず商用利用が許諾された音源ライブラリを使用しましょう。
YouTubeで聴いた楽曲を無断で使用する行為は著作権侵害にあたります。制作会社に「商用利用可能な音源を使用してください」と明確に伝え、使用音源のライセンス証明を納品物に含めてもらうのが安心です。

出演するスタッフには、肖像権の同意書を取得します。特に重要なのは「退職後の取り扱い」です。退職したスタッフが映っている動画の公開をいつまで認めるのか、退職後は速やかに差し替えるのかなど、あらかじめ取り決めておくことでトラブルを防止できます。


制作の流れ——初めてでも安心のステップガイド

動画制作が初めてという方にとって、「何から始めればいいのか」は最大の不安かもしれません。実際の制作は、以下の7つのステップで進みます。制作会社がリードしてくれるので、院長・施設長が行うことは各ステップでの「確認と承認」が中心です。

動画制作の7ステップ

STEP

内容

期間目安

院長・施設長がやること

1

ヒアリング・課題整理

1〜3日

「採用か集患か」「誰に何を伝えたいか」を制作会社と共有

2

企画・構成・絵コンテ作成

3〜5日

企画書・絵コンテを確認し、方向性を承認

3

ロケハン・撮影準備

1〜2日

撮影場所と撮影日程の確認、出演スタッフの選定

4

撮影

1〜2日

撮影当日の立ち会い(冒頭の挨拶等で出演する場合も)

5

編集・字幕・ナレーション

5〜10日

初稿動画を確認し、修正指示を出す

6

コンプライアンスチェック

2〜3日

医療広告GL・個人情報の最終確認・公開承認

7

納品・各チャネルへ公開

1〜2日

完成動画の最終確認。HP・GBP・YouTube等への公開を確認

合計の目安は約3〜6週間です。アニメーション動画を含む場合は5〜8週間を見込んでください。採用シーズン(新卒向けなら12〜3月)に間に合わせるためには、遅くとも2〜3か月前に制作を開始するのが安全です。

撮影日の院内スケジュールへの影響を最小限に抑えるため、制作会社との事前打ち合わせでは「診療・ケアへの影響を出さない」ことを大前提として共有しましょう。経験豊富な制作会社であれば、医療・介護施設での撮影ノウハウを持っており、現場を混乱させない進行を組んでくれます。


活用チャネルと効果測定(KPI設計)

チャネル別 活用マップ

動画は「作って終わり」ではなく、「どこに置くか」「どう使うか」で効果が大きく変わります。以下の表を参考に、制作した動画を最大限活用しましょう。

チャネル

最適な動画タイプ

期待できる効果

主要KPI

自社HP(採用ページ)

スタッフインタビュー、密着

応募率向上、ページ滞在時間増加

エントリー数、滞在時間

Indeed・求人サイト

30秒〜1分のダイジェスト

クリック率向上、応募増

CTR、応募数

GBP(Googleマップ)

施設紹介ショート(30秒)

MEO順位UP、来院率向上

表示回数、アクション数(電話・ルート検索)

YouTube

フル尺の施設紹介、密着

認知拡大、ブランディング

再生回数、視聴維持率

Instagram / TikTok

SNSショート(15〜60秒)

若年層リーチ、採用認知

リーチ数、エンゲージメント率

待合室デジタルサイネージ

患者説明、施設案内

説明時間短縮、患者満足度向上

説明時間の削減率、患者アンケート

ケアマネジャーへの配布

施設案内ダイジェスト(1〜2分)

紹介件数増加

見学予約数、入居契約数

採用説明会・学校訪問

フル尺の採用動画

志望度向上

説明会後のエントリー率

LINE公式アカウント

フォローアップ用ショート

エントリー者の離脱防止

既読率、最終応募率

効果測定の進め方

動画の効果は「なんとなく良くなった気がする」では不十分です。投資対効果を見える化するために、以下の方法で定量的に測定しましょう。

まず、動画公開前と公開後の比較が基本です。
月間応募数、見学予約数、初診患者数、GBPからの電話発信件数など、公開前3か月の平均値と公開後3か月の平均値を比較すれば、動画の効果を大まかに測れます。

YouTube Analyticsでは、「視聴維持率」が重要指標です。動画のどの時点で視聴者が離脱しているかを分析し、「冒頭が長すぎる」「中盤で飽きている」といった改善点を特定できます。一般的に、平均視聴維持率が50%以上であれば「良い動画」と判断されます。

GBPインサイトでは、「表示回数」「検索キーワード」「アクション数(電話・ルート検索・ウェブサイトへの遷移)」をモニタリングし、動画投稿前後での変化を追跡します。

四半期に一度のKPIレビューを行い、数値が目標に達していない場合は動画のリニューアルや追加制作を検討しましょう。「まず1本作り、効果を見て、次の1本を改善する」というサイクルを回すことが、動画活用の成功につながります。


地元・四国の制作会社に依頼するメリット

動画制作会社は全国に数多くありますが、医療・介護施設の動画こそ「地元の制作会社」に依頼するメリットが大きいと考えています。

出張費の大幅削減は最も分かりやすいメリットです。東京の制作会社に依頼すると、スタッフ2〜3名分の往復交通費+宿泊費が上乗せされ、それだけで10〜20万円のコスト増になります。県内や四国内の制作会社であれば、この費用はほぼゼロか最小限に抑えられます。

地域の医療・介護事情への理解も重要です。四国の医療圏の構造、地元の方言のニュアンス、地域の風景——こうした要素を理解している制作会社は、「らしさ」を自然に映像に落とし込むことができます。特にUIターン採用を目的とした動画では、香川・四国の暮らしやすさを実感を込めて伝えられるかどうかが成否を分けます。

迅速な追加撮影・修正対応もメリットです。「新しいCTが入った」「病棟をリニューアルした」「新しい師長にインタビューしたい」といった追加ニーズに、すぐ対応してもらえるのは距離の近い制作会社ならではです。

対面での打ち合わせの安心感は、医療・介護という繊細なコンテンツを扱ううえで欠かせません。動画の方向性、プライバシーへの配慮、医療広告ガイドラインへの対応など、画面越しではなく顔を合わせて話し合えることは、認識のズレを防ぐ大きな保険になります。

さらに、地元の制作会社は自治体独自の助成制度にも精通していることが多く、補助金の活用を含めたコスト提案が期待できます。


よくある質問(FAQ)

Q. 動画制作が初めてで、何から始めればいいかわかりません。
A. まずは「何のために動画を作りたいか(採用?集患?業務効率化?)」だけ決めておけば大丈夫です。制作会社がヒアリングをもとに企画・構成・台本をすべて作成しますので、院長・施設長は「確認と承認」を行うだけで進められます。

Q. 診療時間中・介護業務中に撮影できますか?
A. 可能ですが、患者・利用者の映り込みを避けるため、休診日や早朝・昼休みの活用が基本です。稼働中に撮影する場合は、カメラの向きと動線を事前に設計し、患者・利用者のプライバシーを最優先に対応します。

Q. 患者や利用者に出演してもらう必要はありますか?
A. 必須ではありません。スタッフの出演だけでも十分効果的な動画が作れます。患者・利用者に出演いただく場合は、書面による同意書の取得と個人が特定されにくい撮り方(背中からのカット、手元のみなど)で対応します。

Q. 医療広告ガイドラインに違反しないか心配です。
A. 医療・介護の動画制作経験がある制作会社であれば、ガイドラインに基づいたチェック体制を持っています。ナレーション原稿やテロップの表現を制作段階で確認し、公開前に最終チェックを行うフローを組みます。

Q. アニメーション動画(手術説明など)は対応できますか?
A. 対応可能です。手術の流れや体内のイメージを3DCGやイラストアニメーションで可視化し、ナレーション+字幕をつけて制作します。医師監修のもとで内容の正確性を担保します。

Q. 動画はどれくらいの期間使えますか?リニューアルは必要ですか?
A. 施設紹介動画や採用動画は2〜3年が目安です。大規模なリニューアル(病棟の改装、院長交代など)があった場合は、該当部分を差し替えるのが理想です。SNSショート動画は半年〜1年でトレンドが変わるため、定期的に新しいコンテンツを追加しましょう。

Q. 多言語対応は可能ですか?
A. 英語・中国語・韓国語・ベトナム語など、主要言語の字幕対応が可能です。費用目安は1言語あたり+1〜5万円程度です。外国人スタッフの採用動画や、外国人患者向け案内動画にも対応できます。

Q. 補助金は使えますか?
A. 小規模事業者持続化補助金(ウェブサイト関連費として申請可能、補助上限あり)や、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金の後継制度、補助上限350万円・補助率4/5)などが活用できる可能性があります。

Q. 最低いくらから依頼できますか?
A. SNSショート動画1本なら3万円前後から、院長メッセージ動画なら10万円前後から、施設紹介動画なら20万円前後から制作可能です。まずは予算感をお伝えいただければ、その範囲内で最大限効果的なプランをご提案します。

Q. 香川県以外にも対応していますか?
A. 愛媛県・徳島県・高知県・岡山県も対応可能です。四国内であれば出張撮影も柔軟に対応でき、複数拠点のまとめ撮りにも対応しています。


まとめ——動画で、医療・介護の経営課題を解決する

医療・介護の人材不足は、今後ますます深刻化していきます。香川県だけでも介護職員が数千人規模で不足し、看護師の採用競争は激しさを増す一方です。「求人を出して待つ」だけの採用は、もう限界に来ています。

動画は、この状況を変えるための最も効果的なツールのひとつです。採用動画で「この職場で働きたい」と思わせ、施設紹介動画で「この病院・施設に通いたい/入居したい」と感じてもらい、説明動画で患者・利用者の不安を軽減しながら業務効率を上げる。1つのツールで3つの経営課題を同時に解決できるのは、動画ならではの力です。

そして、「まとめ撮り」と「ワンソース・マルチユース」の戦略を使えば、費用は想像以上に抑えられます。1日の撮影で複数の動画を同時に作り、フル尺からダイジェスト、SNSショート、GBP用まで展開すれば、1本あたりのコストは大幅に下がります。さらに、補助金の活用で実質負担をさらに軽減することも可能です。

まずは1本、スタッフインタビュー動画から始めてみませんか? 「うちのスタッフの笑顔と本音」を映像にするだけで、求職者への訴求力は劇的に変わります。


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