インフルエンサー起用の炎上対策!岡山・香川県の経営者・広報・マーケ担当者は絶対に知っておきたい炎上対策

コラム

2026/10/10

この記事の内容の動画は下記からご確認いただきます。

https://youtu.be/mlkfPWrd6OE

インフルエンサーに商品やお店を紹介してもらいたい。けれども、誰に頼めばいいのか分からない。フォロワーが多い人に頼めば大丈夫なのか不安。もし変な投稿をされて炎上したらどうしよう。

こうしたご相談を、岡山・香川の企業さまからよくお聞きします。

この記事では、インフルエンサーを起用する前に確認しておきたいことを5つ、制作会社の立場からご説明します。結論からお伝えすると、起用にまつわるトラブルのほとんどは、投稿された後ではなく、声をかける前に防げます。

1. 地方のインフルエンサーに依頼しても、若い世代には届きません

最初に、もっともお伝えしたいことです。

SNSは若い人のもの、というイメージがあります。ですが地方のグルメ・観光ジャンルに限っていえば、10代から20代前半にはほとんど届いていません。

弊社で実際に調べたデータがあります。2026年の3月から5月にかけて、岡山県と香川県のグルメ・観光ジャンルで、フォロワー3万人以上のアカウント14件について、フォロワーの年齢構成を確認しました。

平均すると、次のような結果になりました。

年齢層

平均の割合

最小

最大

13〜17歳

0.5%

0.0%

2.3%

18〜24歳

4.2%

0.8%

14.0%

25〜34歳

22.5%

12.6%

35.2%

35〜44歳

29.5%

24.0%

52.5%

45〜54歳

24.9%

12.8%

31.8%

55〜64歳

14.0%

3.5%

20.2%

65歳以上

4.5%

1.3%

7.3%

13歳から24歳を合わせても、平均で4.7%です。14件のうち11件が5%未満でした。もっとも高かったアカウントでも16.3%で、1割を超えていたのはその1件だけです。

とくに13歳から17歳、つまり高校生以下は平均0.5%。ゼロというアカウントもありました。

フォロワー10万人でも、若い世代は5千人に届きません

具体的な数で考えてみます。

フォロワー10万人のアカウントに依頼したとします。平均値で計算すると、13歳から24歳はおよそ4,700人。残りの95,300人は25歳以上ということになります。

しかも、フォロワー全員に投稿が表示されるわけではありません。実際に届くのは、さらにその一部です。

中心にいるのは、35歳から54歳です

では、誰が見ているのか。

35歳から44歳が平均29.5%、45歳から54歳が平均24.9%。この2つを合わせると54%になります。調べた14件のうち、多くで女性がやや多いという結果でした。

この層は、旅行や外食の行き先を決める権限を持っている人たちです。家族でどこに出かけるか、休日にどの店に行くか。決めているのも、お金を使うのもこの層です。

これは悪い話ではありません。若い世代は来ないけれども、実際にお金を使う層が来ている、ということです。

問題は、そこを知らないまま「若者向けキャンペーン」として企画してしまうことです。投稿の内容も、クーポンの設計も、すべてずれてしまいます。

依頼する前に、年齢層のデータをもらってください

確認の方法はシンプルです。

Instagramには、運用している本人しか見られないインサイトという画面があり、フォロワーの年齢、性別、市区町村まで表示されます。仕事として依頼するのであれば、このデータを出してもらうことは失礼にあたりません。媒体資料として整理して持っている方もいらっしゃいます。

逆に「そういうデータは見ていません」という回答であれば、一度立ち止まったほうがよいかもしれません。フォロワー数だけで判断するのは、視聴率だけを見てテレビCMを買うようなものです。

2. 薬機法に触れる表現を、使わせない

2つ目は法律の話です。

インフルエンサーが率直な感想として書いたものでも、御社の依頼にもとづく投稿であれば広告として扱われます。「本人が勝手に書いたことだから」という理屈は通用しません。

薬機法の第66条は「何人も」という言葉で始まります。医薬品や化粧品などについて、虚偽や誇大な広告をしてはならない、という条文です。

この「何人も」という部分がポイントで、広告主だけでなく、広告に関わった人が広く対象になります。制作会社も、代理店も、投稿したインフルエンサーも含まれます。2021年には課徴金の制度も導入されており、違反した場合の金銭的なリスクは以前より大きくなっています。

関係する業種は、思ったより広いです

「うちは薬を扱っていないから関係ない」と思われるかもしれません。ですが、対象になる業種は意外と広い範囲に及びます。

業種

注意が必要な理由

化粧品

認められている効能の範囲が細かく決まっている

健康食品・サプリメント

痩身や健康効果をうたうと対象になる

クリニック・整体・エステ

治療や改善を示す表現が問題になる

飲食店

健康効果をうたった時点で対象になる

体験談の形をとっていても、対象になります

具体的にどのような投稿が問題になるのか。よくある例を挙げます。

化粧品のPRで「このクリームを塗ったらシワが消えた」。サプリメントで「飲み始めて1か月で5キロ落ちた」。整体で「腰痛が治りました」。

共通しているのは、どれも本人の体験談という形をとっていることです。

体験談だからセーフ、にはなりません。効果や効能を暗示していれば、表現の形にかかわらず対象になります。「個人の感想です」と小さく書き添えておけば安全、ということもありません。

対策は2つです

ひとつは、使ってはいけない表現をリストにして、先に渡すことです。「治る」「効く」「痩せる」「若返る」。このあたりは使わないでほしいと、具体的に伝えます。代わりに使える言い方も一緒に渡すと、相手も書きやすくなります。

もうひとつは、投稿前に原稿を見せてもらう取り決めを、契約に入れておくことです。投稿されてからでは遅く、削除してもスクリーンショットは残ります。

これは、インフルエンサーを信用していないという話ではありません。薬機法の細かい線引きは、専門に扱っていないと判断がつかないものです。確認する工程を、最初から進行表に入れておく。それだけのことです。

3. BGMのライセンスは、見落とされがちです

3つ目は、あまり語られていないのに危険度が高い話です。

CapCutで編集した動画を、そのままInstagramに投稿すると、権利の問題が起きることがあります。

CapCutはスマートフォンで使える無料の編集アプリで、インフルエンサーの方の多くが利用しています。手軽で、テンプレートも豊富です。問題になるのは、アプリの中に入っている音源です。

音源が使える場所は、決められています

CapCutには商用向けの音源ライブラリがあります。「商用利用可」と表示されているため、仕事でも使えると受け取られがちです。ですが、条件が付いています。

その音源が使えるのは、CapCutの中、TikTokの中、そしてTikTok for Business。この範囲に限られる形になっています。

つまり、同じ動画をInstagramのリール、YouTube、自社サイト、店内のサイネージなどに商用目的で掲載する場合、音楽を含んだまま使うと規約違反になる可能性があります。実際に、Instagram広告でCapCutの内蔵BGMを使い、権利者から著作権侵害の通知を受けたという例も報告されています。

さらに注意すべき点が2つあります

ひとつは、商用利用できる素材とできない素材を1本の動画に混ぜた場合、その動画全体が商用利用できなくなる可能性があるという点です。「BGMは問題ないが、使ったエフェクトが非商用だった」という場合でも、全体が使えなくなることがあります。一部分だから大丈夫、とは考えないほうが安全です。

もうひとつは規約です。2025年6月の改定により、CapCutにアップロードした時点で、運営会社に幅広い利用許諾が与えられる形になっています。御社の商品や社員が映っている映像も、その対象に含まれます。自社の広告素材として権利を確保しておきたい企業にとっては、無視できない条件です。

対策はシンプルです

BGMは、商用利用が明確に許諾されている音源サイトのものを使ってください。年間契約のサービスであれば、他の動画にも使い回せます。

CapCutを使っているインフルエンサーに制作を依頼する場合は、御社のほうで商用利用が明確な音源を用意して渡す形になります。

なお、インフルエンサーへの発注は代理店や制作会社を経由することも多いものです。その場合は、代理店や制作会社に、ライセンスの取得状況が明記された書類を用意してもらうとよいでしょう。

仕様書に「BGMは弊社支給のものを使用」と一行入れておく。これだけで防げます。

あわせて、Instagramの音楽を付ける機能にも注意が必要です。ビジネスアカウントでは使える曲が制限されており、個人アカウントで表示されていた曲が出てこないことがあります。これも同じ理由によるものです。

4. お子さんが出ているアカウントの肖像権

4つ目は、比較的新しい論点です。

ここ1年ほどで、お子さんが出演しているアカウントがかなり増えました。家族でのお出かけ、子連れランチといったジャンルです。子育て層に届けたい企業にとっては相性がよく、お子さんが実際に食べている、遊んでいるという映像には説得力があります。

ただし、大人だけのアカウントとは違う注意点があります。

お子さんの出演は、親御さんの同意だけで完結させないほうがよいと考えています。

本人が判断できない、という問題

肖像権は、法律の条文にはっきり書かれている権利ではなく、裁判の積み重ねによって認められてきた権利です。そのため線引きが難しい面があります。

そしてお子さんの場合、本人が判断できません。

3歳のときに撮られた動画を、本人が出したいと決めたわけではありません。親御さんが代わりに判断しています。それ自体はやむを得ないことです。ですが、その子が10歳になったとき、同じ気持ちでいるとは限りません。

思春期を迎えて「あの動画を消してほしい」と言い出すことは、普通に起こります。そのときに、御社の広告に使われた動画がまだネット上に残っている。誰も悪くないのに、全員が困る状況になります。

期間を区切っておくことをおすすめします

お子さんが出ている素材を広告に使う場合は、最初から運用できる期間を区切っておく方法があります。

弊社でも、お子さんが出演するインフルエンサーとお仕事をした際に、お子さんが映っている素材については1年ごとの契約更新という形にしたケースがあります。1年経ったら、もう一度使ってよいか確認する。お子さんの意思に変化があれば、そこで取り下げる、という運用です。

インフルエンサーの方から「子どもの成長に合わせて、取り下げも検討させてほしい」と言われることもあります。これは無理な要求ではなく、むしろ誠実な姿勢だと受け止めています。

企業側からすると、作った素材が使えなくなるのは痛手です。ですが、永続的に使わせろという契約のほうが、後々のリスクは大きくなります。数年後に「あの会社は子どもの動画を消してくれなかった」と言われるほうが、はるかに深刻です。

契約に入れておきたい3つのこと

項目

決めておく内容

使用期間

無期限にしない。1年、長くても2年で区切る

更新の扱い

自動更新にせず、毎回あらためて確認する

取り下げの対応

申し出があった場合の対応期間と、費用の負担者

背景にも注意してください

実務的な注意点をひとつ。お子さんが映っている素材は、背景にも気を配ってください。

制服、学校名、近所の目印になる建物。こうしたものが映り込んでいると、住んでいる場所が特定されかねません。これは肖像権とは別の、安全の問題です。

5. それでも炎上したときの、正しい対応

ここまで4つ、防ぐための話をしてきました。ですが、炎上のリスクを完全にゼロにすることはできません。自社に非がなくても、デマや誤解がきっかけで起きることもあります。

もっともやってはいけないのは、慌てて自己判断で動くことです。

放置すれば広がります。かといってパニックになって誤った対応をとると、火に油を注ぐ結果になります。順番があります。

対応の4ステップ

ステップ

やること

注意点

1

状況と事実を把握する

どの媒体か、原因は何か、規模はどれくらいか

2

慌てて投稿を削除しない

事実確認の前に消すと、隠蔽と受け取られる

3

「確認中です」を早く出す

お詫びと、事実関係を確認している旨だけでよい

4

非があれば謝罪文を出す

事実が確認できてから

なぜ、すぐに削除してはいけないのか

炎上に気づくと、まず消したくなります。ですが、事実関係が確認できていない状態での削除は避けてください。

理由は2つあります。ひとつは「火消しに走っている」「証拠隠滅だ」と受け取られること。もうひとつは、消してもスクリーンショットが出回り、かえって二次炎上につながることです。

削除するのは、事実確認をしたうえで必要だと判断した場合だけです。

一次対応は、早く出してください

事実確認には時間がかかります。その間も状況は広がっていきます。

そこで、まず一次対応を出します。内容はシンプルで、ご迷惑をおかけしていることへのお詫びと、現在事実関係を確認しております、という一言だけです。

逃げずに向き合っている姿勢を示すことで、ヒートアップを抑えられます。沈黙がもっとも状況を悪化させます。

謝罪文に入れるべき5つの要素

自社に非があった場合、「申し訳ございません」だけでは足りません。次の5つを入れてください。

  1. お詫びの言葉

  2. 何が問題だったのかの明確化

  3. なぜ起きたのかという経緯

  4. すでに実行した対応

  5. 再発防止策

とくに経緯と再発防止策が抜けていると、定型文で謝っているだけと受け取られます。

火に油を注ぐ謝罪の型

避けていただきたい表現があります。

「ご不快に思われた方にはお詫び申し上げます」 「誤解を与えてしまい申し訳ありません」

一見すると丁寧ですが、自分たちに非があったわけではなく、あなたの受け取り方の問題だ、という責任転嫁のニュアンスを含んでいます。問題を相手の感情にすり替えていると受け取られ、強い反感を買います。

もうひとつ、謝罪文を画像やPDFで出すことも避けてください。体裁を整えたくなる気持ちは分かりますが、画像やPDFは検索に引っかかりにくいため、隠そうとしていると受け取られます。誰でも検索してコピーできるテキストの形でも出すようにしてください。

誰が判断するかを、先に決めておく

4つのステップより大切なことがあります。

炎上は、金曜の夜や連休前に起きることが多いものです。そのとき担当者が一人で抱え込むと、判断を誤る可能性が高くなります。

誰に報告し、誰が最終判断をするのか。紙1枚に書いておくだけで、初動がまったく変わります。インフルエンサーに依頼をかける前に、ここまで決めておいてください。

まとめ

最後に、この記事の内容を整理します。

確認すること

要点

年齢層のデータ

13〜24歳は平均4.7%。中心は35〜54歳

薬機法

体験談の形でも、効能を暗示すれば対象になる

BGMのライセンス

CapCutの音源はInstagramに持ち出せない

子どもの肖像権

期間を区切り、1年から2年ごとに確認する

炎上時の対応

慌てて消さない。判断する人を先に決めておく

インフルエンサー起用のトラブルは、ほとんどが投稿された後ではなく、依頼をかける前に防げます。

誰に頼むかを決める前に、フォロワーのデータをもらう。発注書にBGMと使用期間の条件を書いておく。判断する人を決めておく。どれも地味な準備ですが、この積み重ねが会社を守ります。

今すぐ起用のご予定がなくても、この5つを社内で共有しておくだけで、いざ企画が動き出したときの判断が変わります。

制作・運用のご相談について

株式会社Nokoは、香川県高松市を拠点に、企業さまの映像制作とSNS運用を行っています。実写の会社案内、採用動画、アニメーション、3DCG、SNS動画、動画広告の運用まで対応しています。

弊社は発注する側であると同時に、自社アカウントで自治体の案件やテレビ出演のお仕事もいただいており、インフルエンサーとして受ける側の事情も把握しています。

インフルエンサー起用を検討している段階でのご相談も承っています。弊社にご発注いただく前提でなくて構いません。候補となる方の媒体データをどう読むか、仕様書に何を書いておくべきか、といったご質問にもお答えできます。

会社名

株式会社Noko

所在地

香川県高松市国分寺町柏原1066-21

電話

070-8499-3898

メール

info@noko.company

お問い合わせは、弊社サイトのお問い合わせフォームよりご連絡ください。


参考:薬機法第66条および課徴金制度(薬事法ドットコム)/CapCutの音源ライセンスおよび2025年6月の規約改定/SNS炎上の初動対応と謝罪文の作り方(株式会社コムニコ)/岡山・香川のグルメ・観光系アカウント14件の自社調査(2026年3〜5月)

arrow_back

お知らせ一覧